mface / MFCclub 投資被害
「ド貧乏で、死のうかと思いましたけど、敗者復活戦で今は大金持ちです」-。女広告塔はこんなセリフで儲け話をもちかけ出資者を勧誘、総額181億円を集めていた。海外のSNSやネット上のクーポン、LINEグループなど道具立ては新しいが、中身は古典的なマルチ商法。130万円を出資したという男性が夕刊フジに実態を激白した。
(高齢者の姿が目立つ mfaceの事業セミナー風景)
マレーシアのSNS事業「エムフェイス」への出資をうたい、勧誘時に嘘の説明をしたなどとして特定商取引法違反(不実告知・不備書面交付)の疑いで警視庁に逮捕されたのは、会社役員、吉野美穂子容疑者(66)ら男女4人。
吉野容疑者の逮捕容疑は2016年7月、佐賀県の50代の男性に広告権を販売する際「必ずお金が増える」と虚偽の説明をするなどした疑い。容疑を一部否認している。
吉野容疑者らは各地でセミナーを開き「SNSに広告を掲載する権利を買うと、ネット上で現金に換金可能なクーポンが手に入る」と出資者を勧誘、知人を勧誘するとさらにクーポンがもらえるなど実態は悪質なマルチ商法だった。
吉野容疑者は講演会で、出資で成功した会員の代表として登場、「大丈夫。黙っていても皆さんの運は上がっていきます」「みんなで成功していきましょう」と締めくくると、客席から割れんばかりの拍手が湧いた。
(高齢者の姿が目立つ mfaceの事業セミナー風景)
エムフェイスに計約130万円を出資したという男性は夕刊フジの取材に「被害者のほとんどはスマホも十分に操作できない高齢者。クーポンの換金システムはどんどん複雑に更新され、換金方法が分からない被害者がほとんどだった」と被害の実態を明らかにした。
男性が友人から勧誘を受けたのは16年。「よく分からないが、クーポンを買えば現金が増えていくらしい」と誘われた。
平均的な投資金額は1口65万円だったといい、男性は同年6月から計約130万円を出資。男性のクーポンは18年までに約408万円分まで増え、17年ごろまでは日本国内のホテルやテーマパークでも決済できたが、その後は国内での決済が難しくなったという。
出資者は幹部を中心に全国で複数のグループを作り、ビジネスセミナーや懇親会を開催。LINE上でもグループを作り、出資者の勧誘実績をたたえ合っていた。
「エムフェイス関連会社が独自にビジネスモデルを開発したというが、実際はどこかで聞いたことがある話の寄せ集めだった。電子マネーだった決済方法が急に仮想通貨に換金するよう求められたり、複雑化する換金方法に誰も対応できないのが実態だった」と男性は振り返る。
(2019.04.03 zakzak記事より)
詐欺事件に詳しい加藤博太郎弁護士は「出資金が取り戻せず『だまされた』と思っても、誰がトップなのか分からない上に自身も勧誘活動を行っているため、詐欺事件として被害届を出せないのがマルチ商法の特徴だ。被害者には高齢者が多く、集団で訴えるにも労力も十分ではない」と指摘する。
男性は3年かけて出資金のうち約80万円を取り戻したが、自身が勧誘した知人や、出資者のサポートを行っている。
「自分も勧誘を行ったので、多少の非がある。その分クーポンを換金できず泣き寝入りしている被害者の支援も続けていきたい」と力を込めた。
(2019年4月3日 zakzak夕刊フジより)
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